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皆川 宣明; 森井 幸生; 盛合 敦; 菊地 賢司
Material Evaluation by X-Ray and Neutron Diffraction, p.H_19_1 - H_19_5, 2001/05
日本における材料内部応力測定用中性子回折装置が設置されたのが1992年であり日本での研究がスタートした。現在まで行われていた研究を紹介するとともに、技術開発についても紹介している。最近の研究として、冷し填めアルミ材プラグとリングについて加工残留応力,組立後の熱膨張による境界部分の発生応力を精密に測定し、予測発生応力が周方向で280MPaに対し組立後の測定応力が420MPaであり、事前に測定したリング内径部の周方向残留応力が、150MPaであった。この結果から冷し填めのような製作過程では、部品加工時の残留応力は、最終製品において加算されることが確認された。実際の製品製作工程で各部品の加工残留応力を無視することは、最終製品の残留応力を予測ないし寿命計算を行ううえで無視できないことを意味する。
安全計画課
JNC TN1400 2000-012, 250 Pages, 2000/11
平成11年度の核燃料サイクル開発機構における安全研究は、平成8年3月に策定(平成12年5月改定2)した安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)に基づき実施してきた。本報告書は、動力炉分野(新型転換炉及び高速増殖炉分野の全課題並びに、耐震及び確率論的安全評価分野のうち動力炉関連の課題)について、平成11年度の研究成果を安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)の全体概要と併せて整理したものである。
not registered
JNC TN1400 2000-010, 70 Pages, 2000/10
本計画は、平成11年度より国の「安全研究年次計画」(平成13年度平成17年度)の策定作業に協力する形でニーズ調査及び研究課題を提案し、国の「年次計画」で採用された研究課題の他に社内研究を含めたサイクル機構の計画として策定した。サイクル機構の安全研究は、高速増殖炉、核燃料施設、耐震、確率論的安全評価、環境放射能、廃棄物処分及びその他(「ふげん」の廃止措置)の7分野において実施することとしている。なお、本計画は、安全研究専門部会、中央安全委員会及び理事会において審議され、決定されたものである。
安全研究専門部*; 大洗開調室*
JNC TN9200 2000-001, 133 Pages, 2000/02
平成11年12月15日、動力炉分野を対象とした第11回安全研究成果発表会が、大洗工学センターの展示館(テクノ大洗)で開催された。本発表会では、平成8年度平成10年度の3ヶ年の成果の発表及び討論が行われた。発表課題は、高速増殖炉(FBR)、耐震及び確率論的安全評価の各分野の動力炉に係る安全研究課題(全34課題)の中から、安全研究専門部会の各分科会での検討を踏まえて11課題が選定された。また、本発表会は一般公開として行い、関連分野における学識経験者等にも広く意見を求めるために、社外からも多数の方々の参加をいただいた。本資料は、発表会で使用したOHP集、質疑応答、当日の出席者リスト等について取りまとめたものである。なお、安全研究成果調査票は、「安全研究成果の概要(平成10年度-動力炉分野)」(JNC TN1400 99-027,1999年11月)に収録している。
羽田 一彦
日本機械学会論文集,A, 65(636), p.108 - 115, 1999/08
定常1次応力の下で熱応力が繰り返し作用する構造要素について、熱時効や中性子照射による降伏応力の上昇を適切に考慮し、累積する熱応力ラチェットひずみが許容値内に収まるように繰り返し熱応力の範囲を合理的に定めるための設計手法を開発する。降伏応力が時間とともに上昇する場合の変形挙動は、降伏応力一定の場合とは異なって過渡的な変形モードが新たに現れ、計9つのモードに分類できる。これらの変形モードを生ずる熱応力の範囲並びに熱サイクルごとのラチェットひずみ増分は、当該サイクル及びその1つ前のサイクルにおける降伏応力値により一意的に定まることがわかった。新しく提案した熱過渡事象の発生頻度を統一的に表す時間関数モデルを用い、各変形モードの熱応力範囲及びラチェットひずみ増分を時間の関数として導出した。これにより、ラチェットひずみが許容値内に収まる熱応力の範囲を時間の関数として定めることができた。
加治 芳行; 井岡 郁夫; 深谷 清
日本原子力学会誌, 38(10), p.47 - 56, 1996/10
高温工学試験研究炉(HTTR)の中間熱交換器(IHX)は、冷却系を構成する重要な高温機器であり、その健全性の確保が安全上重要である。特にIHXのマニホールド部及び下部連絡管部は、自重及び内外差圧による応力の他に、熱膨張による熱応力を受け、通常運転時には温度が900C以上になるため、厳しい設計条件下にある。そこで、HTTRのIHXのマニホールド及び下部連絡管を模擬した同材質、実寸大の構造モデルにより、運転条件を加速した条件(950C、ヘリウム中、相対変位50mm)下での試験を実施した。その結果2本の伝熱管に貫通き裂が発生し、伝熱管コイル部、下部エルボー部の垂れ下がり及び下部連絡管立ち上がり部の傾きが認められた。Garofaloタイプのクリープ構成式を用いた弾性クリープ解析結果と時間損傷則を用いた破損寿命予測法では、非常に安全側の寿命予測を行うことがわかった。
加治 芳行; 菊地 賢司; 武藤 康
日本機械学会論文集,A, 61(586), p.1145 - 1152, 1995/06
空気中900Cで母材及び溶接部を有する試験体について、完全両張り変位制御の面内及び面外曲げ疲労試験を行い、破損サイクル数に及ぼす保持時間及び変位速度の影響について実験的に調べた。また有限要素法を用いた弾性クリープ解析を行い、破損寿命の予測を行った。その結果、以下の結論を得た。(1)最大変位で保持時間を挿入することにより破損サイクル数は急速に小さくなる。(2)溶接部の健全性は確保されている。(3)クリープ構成として2次クリープのみのNorton型の構成式を用いた方が、1次+2次クリープを考慮したGarofalo型の構成式を用いた場合に比べて安全側の破損寿命予測結果となる。(4)解析に用いる要素として、梁要素と厚肉シェル要素を用いた場合とでほぼ同等の破損寿命を予測する。
加治 芳行; 井岡 郁夫; 宮本 喜晟
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.363 - 368, 1995/00
核熱利用の新たな展開において、1次系と2次系冷却ガスの熱交換を行う中間熱交換器(IHX)は、高温ガス炉(HTGR)の重要機器である。その中で、特に伝熱管の構造健全性を確認することが重要である。起動停止時において、伝熱管の下部連絡管は高温ヘッダーとヘリカル管との熱膨張及び温度差による熱応力を受ける。したがって、950Cヘリウムガス環境中において、伝熱管の寿命を評価するためにIHXの実規模モデルを用いたクリープ疲労試験を行った。また非弾性解析を用いた寿命予測を行い、以下の結論を得た。(1)4576サイクルで最内層のサポート角度が90Cの伝熱管のスタブ部と下部連絡管の間の溶接部にき裂が発生した。(2)非弾性解析により計算されたクリープ損傷を用いた寿命予測結果は、実験結果に比較して非常に保守的であった。
古橋 一郎*; 若井 隆純*
PNC TN9410 94-201, 301 Pages, 1994/04
FBR構造物の破壊力学的評価のため、簡易法き裂解析コード体系CANISの開発改良を行った。同体系はCANIS-G,K,Iからなる。クリープ疲労き裂進展評価コードCANIS-Gでは以下の改良を行った。1.1 平板および内面き裂付きの円筒に加え、外面き裂付きの円筒も取り扱えるようにした。1.2 円筒の軸曲げモメント荷重も取り扱えるようにした。1.3 熱過渡荷重等の変位制御型荷重を容易に取り扱えるようにした。1.4 これらを容易にするため、正味断面形状関数と応力拡大係数解のライブラリを拡張整備した。1.5 材料データライブラリを拡張整備した。PNCが取得した7鋼種の弾塑性応力ひずみ関係式、クリープひずみ式、クリープ破断式および疲労破損特性をライブラリ化した。1.6 現在から過去に向かって時間積分し、過去のき裂形状を逆算する逆方向解析機能を追加した。また新たに破壊力学パラメータ評価コードCANIS-Kとき裂発生確率評価コードCANIS-Iを開発した。CANIS-Kは以下を行う。2.1 入力されたき裂形状に対して、応力拡大係数K、J積分値、クリープJ積分値等の破壊力学パラメータ計算結果の詳細(過渡事象内の時刻歴、最大値、最小値など)を出力する。2.2 き裂進展速度、開口面積および漏洩量を計算出力する。CANIS-Iは以下を行う。3.1 き裂無し断面の時間依存の疲労損傷値およびクリープ損傷値を計算評価する。3.2 疲労き裂発生に対応した疲労損傷値の統計分布関数およびクリープき裂発生に対応したクリープ損傷値の統計分布関数を参照し、時間依存のき裂発生確率を計算評価する。これらCANIS-G、K、Iでは入力データフォーマットおよび使用サブルーチンの共通化が図られ、将来のコードの改定拡張が容易かつ統一的に行えるようにした。CANISは以下の領域で有力な計算コードであり、その利用が期待される。4.1 き裂付き構造物の余寿命評価。き裂無し構造物のき裂発生時期の予測。4.2 プラントの破壊力学的信頼性評価および最適構造設計。4.3 プラントの最適運転計画および最適補修計画の立案。4.4 各種破壊力学試験の試験条件および試験片形状の最適設計。4.5 各種破損事故のシミュレーション。き裂発生時期あるいは負荷荷重の逆算推定。本報告はCANISコードの数学力学モデル、使用マニュアルおよび解析例を
本田 明; 井上 邦博*; 小畑 政道*
PNC TN8410 93-299, 26 Pages, 1993/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリアシステムの構成要素であるオーバーパックの腐食挙動を評価するために、腐食メカニズムに基づく腐食挙動評価モデルを開発している。本資料は、現状での炭素鋼オーバーパックの腐食挙動評価モデルの構成と評価例についてまとめたものである。全面腐食については、金属表面での電気化学反応速度と溶存酸素の輸送を考慮したモデルを開発した。このモデルでは皮膜の効果を無視するという保守的な仮定を置いていることから1000年で74mmという過大な腐食量が算定された。また局部腐食が進展しうるのは不動態保持電流以上のカソード電流が酸素還元反応によって供給されうる期間であるとして、局部腐食が進展しうる期間を、ベントナイト中の酸素の輸送に基づき評価した。その結果、局部腐食が実質的に進展しうるのは、ベントナイトが地下水で飽和されるまでの期間と考えられた。開発中の局部腐食進展モデルについては、その構成について示した。
楠戸 伊緒里
PNC TN8420 93-016, 63 Pages, 1993/10
現在、オーバーパックの候補材の1つとして銅系材料が検討されており、そのオーバーパックの寿命予測を行うために銅および銅合金の腐食挙動を調べることは、長期間にわたる放射性核種の閉じ込め能力を検討するうえで非常に重要である。本報告書では、諸外国における銅系オーバーパックの腐食挙動の研究について、オンライン検索システムを利用した文献調査を行った。対象文献数は10件であり、主な腐食形態は以下のようなものであった。 (1)均一腐食(2)孔食(3)応力腐食割れ これらの腐食に影響を及ぼす因子として検討されたものは、溶存酸素濃度、放射線の存在、硫化物イオンに代表される無機イオン濃度、圧縮ベントナイトの存在、温度等であった。
菊地 賢司; 加治 芳行; 武藤 康; 北出 正司*
日本機械学会論文集,A, 59(557), p.94 - 99, 1993/01
クリープ損傷が支配的になる超高温領域におけるハステロイXRのクリープ疲労寿命評価方法を探った結果、クリープ損傷に及ぼすひずみ速度の影響を考慮した延性消耗則および損傷速度式が適応可能であり、同時に、引張りと圧縮応力による損傷の相殺、圧縮応力による損傷を考慮することにより、予測の精度向上が更に期待てきることもわかった。従来の時間分数和則に比較しても高い予測精度を与える。ひずみ範囲分割法の予測精度は高いが、クリープ損傷に対する信頼性および実際の応力履歴への適用性に欠ける。これらは、同一熱処理材を用いて信頼性を高めた。低サイクル疲労試験および一定応力クリープ試験のデータに基づいて評価された。
亀井 玄人; 本田 明
PNC TN8600 92-005, 23 Pages, 1992/03
本報告書は1991年11月、仏ストラスブールで開催された、EMRS 1991 Fall Meeting(主催、欧州材料学会)および、同月、米ハワイ州で開催された、Life Prediction of Corrodible Structures(主催、米国腐食学会)において発表された研究のうち、動燃の地層処分研究上とくに重要と考えられるものの概要や所感を記すものである。前者の会議では放射性廃棄物の処理・処分技術全般にわたる材料研究の成果が発表された。亀井はこれらのうち、種々の人工バリア材料と水との相互作用や、核種移行挙動等を重点に情報を集めるとともに、ベントナイトの長期耐久性について発表した。世界的に処分研究は、現象の本質を理解しようとする方向で進められているように感じられた。後者の会議では、構造物の腐食寿命予測に関する研究の成果が報告された。本田はオーバーパック研究に参考となる各種測定技術、加速試験手法および寿命予測手法に関する情報を集めるとともに、炭素鋼オーバーパックの寿命予測について発表した。腐食モニタリング技術では交流インピーダンス法が注目されており、寿命予測手法の主流は、従来の確定論的手法から確率統計的手法へと移り変わりつつあるように感じられた。
八木 敏明; 森田 洋右; 川上 和市郎
EIM-88-136, p.49 - 58, 1988/12
近年、原子炉用電線、ケーブル類の寿命予測が重要な課題となって来た。そのため、電線絶縁材料である有機ポリマー材料の熱劣化を含む低線量率長時間照射下での劣化について、より詳細な検討が必要となってきている。本報では、主に熱劣化について、低温域での活性化エネルギー低下をXMA(X線マイクロアナライザー)法、酸素の拡散量測定、化学発光法などを用いて検討し、その機構を明らかにすることを試みた。また、計算により熱酸化領域の推定を試みた。その結果、各温度で熱処理した試料の機械的特性にはポリマーの酸化領域の分布状態の影響が大きいことがわかった。また計算による酸化領域の推定の見通しが得られた。
中島 甫; 中島 伸也; 近藤 達男
Proc.Symp.on Nuclear Power Plant Life Extension, p.81 - 93, 1987/00
国内軽水炉プラントの状況及び今後の動向に触れ、軽水炉プラントの寿命を延長することの重要性を示唆する。さらに、プラントの寿命は各コンポーネント別に考えることが最適であり、この結果圧力容器の寿命がプラントの寿命を決定する可能性の高いことを述べる。また、圧力容器の寿命は運転中に発生、成長すると予測されるき裂挙動を評価することにより予測することが可能であり、このシナリオに基づいて圧力容器の寿命と密接に関連する因子をコンピューターシミュレーションにより抽出した結果を紹介する。これらの因子のうち、き裂挙動及び破壊抵抗に関する材料学的知見について述べる。 以上の考察をもとに、圧力容器の寿命は材料の質、特に不純物元素量に依存することを指摘し、新鋭プラントでは現行の寿命を延長できる見通しのあること及びそのために必要な研究課題について言及する。
中島 伸也; 中島 甫; 近藤 達男
JAERI-M 84-208, 25 Pages, 1984/11
軽水炉圧力容器の寿命予測評価のため、特に材料試験データに主眼をおいた基本的予測計算プログラム(RPVLE-I)を作成した。このプログラムは多くの仮定を設けることを前提としており、試計算の結果、材料試験上の課題として次のことが明らかとなった。(1)定常状態における高応力比の繰り返し数および応力幅は寿命に大きく影響する。(2)非破壊検査の検出限界は材料の破壊靭性値や腐食疲労などによるき裂進展速度などと組合せて決める必要がある。(3)初期の破壊靭性値は望ましい最低値が存在する。(4)KthあるいはKisccなどのデータ蓄積が寿命計算上重要である。(5)高温高圧下での新しいき裂モニタ法、き裂開閉口および水化学分析に関する技術の検討が必要である。